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2007年 09月 02日 ( 1 )

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「朝顔はまだ咲かない 
~小夏と秋の絵日記」

柴田よしき
19歳のあたし、小夏は、高校中退後
引きこもり生活を送っている。
銀座でお店をやっているママと二人暮し、
ネット通販による買い物に家計の管理など
それなりに家では役に立っているし
親友の活発な女の子・秋もしょっちゅう
呼ばなくても遊びに来てくれるので
それなりににぎやかな日々。
ある日、秋が通りすがりの男に
ナンパされたことが発端で事件が…?


文体、会話の雰囲気は、昔のコバルト文庫をよく読んでいた
少女小説育ちの人たちには読みやすいと思う(含む自分)。
若干、実際はもう若くは無い作者が19歳になりきって
一人称で書いているので、ところどころ、なんとなくだけど、
ちょっと言い回しとか強引かな?と思うところもあったけれど、
きっと、小夏も秋もちょっと古風でちゃんとした女の子なんだろうな、と
好意的に読めば辛くは無い。
事件の現場に行かずに、ある場所にいて、外からの情報やヒントを元に
事件を解決する「安楽椅子探偵モノ」(「リモート!」とかもそうですよね、
光一くんがやってた引きこもり刑事)の変形バージョンともいえる本作、
ひきこもり探偵・小夏が、秋のほかにもある事件がきっかけで友達が
できたり、親離れを決意したり…事件を通してヒロインが成長していく、
という、青春ミステリーの王道、後味爽やか、ちょっとしみじみ。
活発な秋、秋の彼氏、小夏に一目惚れする男の子、ママに接近してくる
謎の男、など、脇キャラも魅力的。活字で読める漫画、みたいな
読みやすい軽さもいい。

柴田作品を語るときの「軽い」というのは、けして悪い意味ではない。
「軽妙洒脱」の「軽」、軽やかでポップで爽やか、みたいな意味なのだ。
風通しがよく、あと味も素敵な、そんな気持ちのよい軽さは、この小説にも
しっかり感じられた。
by tohko_h | 2007-09-02 17:34 | reading