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2007年 09月 10日 ( 1 )

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「スタジアム 虹の事件簿」
青井夏海
東海地方の見縞市(静岡の
三島を連想)に本拠地を置く
東海レインボーズは、
パラダイス・リーグこと、
パ・リーグで万年最下位の
最弱集団。個人タイトルを
取るものがいたり、勝気な
若手エースピッチャーが
いたり、悪いチームでは
ないのだけど…
そんなレインボーズの
オーナーは、先代の娘で野球音痴のおっとりした
貴婦人然とした女性・多佳子だった。
音痴なりにレインボーズを愛する彼女は、チケットを自分で買い、
球場に足を運ぶ。そこにやって来ているファンの会話に耳を傾けると
何か事件のにおいがする言葉が…目の前の試合と、会話の中の
キーワードを組み合わせて、多佳子は「もしかしたら、この
事件は…」とおっとりと、しかしするどい推理を語り始める・・・
謎ときとしては、目の前で事件が起こるわけでもないし、トリックが
入り組んだ難事件vs切れ者の探偵、という感じではないので
物足りないかもしれないけれど、野球音痴のおっとりした夫人が
可愛らしいし、事件の関係者も、皆、どこか間が抜けていたり優しかったり
愛嬌のある小説になっている。目の前で戦うレインボーズの選手たちは
BGMの一部みたいにヒットを打ったりランナーを貯めて焦ったり
試合をしているだけなのだが、なぜか選手としてのキャラクターが
読んでいるうちに立ち上がってくるのも不思議。
おっとりとした女性オーナーが出てくる、といえば、川原泉のプロ野球マンガ
「メイプル戦記」もそういえば、カワイイおばあちゃまがオーナーだったっけ。

多佳子の野球音痴120%の言葉が面白い。
ツーベースヒットを見て「反則じゃないでしょうか。1度しか打っていないのに
2塁まで行ってしまいました」
ホームランを見て「反則ですわ、客席に入れてしまったら取れないでは
ありませんか」
こんな調子なのだ。か、カワイイ・・・
満塁のランナーが帰ってくることなく攻撃が終わったときには
「あんなにランナーが出たのに、1点にもならないんですか」と
哀しそうにいい、それを残塁というんだ、と教えられるとこう言う。
「1塁とか2塁とは別に、ザン塁っていう塁があるのだと思っておりました」
「富豪刑事」のドラマの深田恭子より年上で、市原悦子よりは若くて
この「おっとり」が似合う女優さんって誰だろう、なんて脳内キャスティングも
悩んじゃったりしつつ読んだ。大塚寧々がもうちょっと老けてから?とか。

東海地方って書いてあるのに、パリーグの万年最下位、パーフェクトゲームを
やりかねないくらい三振をよくとる若いピッチャー、などなど、東北の
某球団を思い出してしまったりも、しつつ(笑)。

よっしぃさんのレビューを読んで即買いに行って大正解!
野球好きな実家の母と妹にも貸してあげようと思います。
よっしぃさん、ありがとう。

でも、確かに、多佳子さんが言うように、ランナーがたくさん出たのに
点数が入らずに攻撃が終わっちゃうのは、哀しいものです(しみじみ)。
by tohko_h | 2007-09-10 00:18 | reading