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2007年 09月 22日 ( 1 )

「追伸」 真保裕一

a0079948_1153161.jpg「追伸」真保裕一
週刊文春で連載されていた小説が
ついに単行本で発売!
といいつつ、文春や新潮は読んでいても
連載小説はチェックしてないので、
本当に初読みでした。
作品の本文は、全部手紙です!
手紙文学といえば古くは
アメリカの「足ながおじさん」、
最近だと宮本輝の「錦繍」も
有名ですね。「錦繍」は、別れた夫婦の
再会後に手紙のやりとりが始まるの
ですが、この「追伸」は、妻が夫に
離婚を切り出す手紙から始まる・・・

ギリシアに造船の仕事のためにひとりで赴任した山上のもとに
あとからついてくるはずの妻・奈美子から長い手紙が届く。
中には離婚届が同封されていた…納得できない山上は
別れる気は無いしなぜそうしたいのか理由が判らないと
返信する。このふたりの手紙の往復が第一章。最後に、
奈美子が、自分に似ているという祖母と祖父が交わした
手紙のコピーを山上に読んで欲しいと送ってくるところで
終わっている。

第二章は、奈美子の母方の祖母・春子が夫(祖父)と
交わしていた手紙で進行していく。殺人容疑で逮捕され
拘束されていた春子と、彼女の無実を信じてひたすら
救おうとする夫の一途な愛情のあふれる手紙。しかし
春子は、夫にもいえないある秘密を抱えていた…

全文手紙、ということで、テンポよく読めます。美しい祖母と
その祖母に似た娘の、美しく生まれてもなかなか幸せに
なれない不器用な生き方も丁寧に描かれていますが、
そのふたりの間の奈美子の母が、容貌は醜くないのに
外見に無頓着に生きてきた理由が後半で明らかになり
なるほど、と思い、印象に残りました。

真保作品の男性は、前作の「最愛」のときも思ったけど、
とてもよくつくすタイプの(女性から見て)都合のいい男タイプが
多いのかなー。それに対して女性は結構わがままだったり
図太かったり。
by tohko_h | 2007-09-22 23:39 | reading