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2008年 02月 06日 ( 3 )

1月に読んだ本

実は結構読んでいたのですが更新サボってました。
なので駆け足でメモ代わりに書いてみる。

「この風にトライ」上岡伸雄
熱血小学校教師がラグビーを通して小学生たちに身体を
動かすことの素晴らしさや友達の大切さを教える、という
NHKの道徳番組ですか的な爽やか小説。体育が苦手だった
ため、テレビの「30人31脚」なんかを見ていろいろ考えて
暗い気持ちになるのだが、本で読むせいか、ラグビーという
なじみの無いスポーツだったせいか、それは大丈夫だった。
転校してきてすっかりみんなのいじめられっこだった
女の子が自力で輝き出すあたりのくだりは「実際は難しくて
こうはいかないんじゃないかな」と思うんだけど泣けてしまった。
熱血先生に皆戸惑う→だけどだんだん心を開く→最後には
その先生を中心にいいクラスになる、という定番ですな。
そういえば石田衣良も小学校教師モノを出したらしくてそれも気になる。

「食堂かたつむり」小川糸
失恋してお金や財産いっさいがっさいを失った25歳の女性。
ウマが合わない母しかいないふるさとに帰り、小さな食堂を
OPENして料理を作って生きていく覚悟をする。そこに
やってくる村の人々。田舎、地元の材料で作る素朴かつ
繊細な料理(の描写)、おおらかな人々、親との和解、
などなど、吉本ばななの初期的なやわらかなタッチで
描かれている。ロハス小説っていうんでしょうか。
食べることは生きること、という根源的なテーマに素直に
向かい合って立ち上がってきたようなシンプルな小説。
ヒロインの作る料理がいちいちおいしそうなので空腹注意。

「リオ」「朱夏」「隠蔽捜査」今野敏
先日、「果断」(隠蔽捜査2)で直木賞候補になっていた
今野敏の警察小説をまとめ読み(文庫になってたのだけ。
なので「果断」はまだ読んでません(笑))してみました。
私にとっての警察小説は、今のところ横山秀夫にはじまり
横山秀夫に終わってる、という感じなので開拓したくて。
「リオ」と「朱夏」は、学生時代直後に大学に入った世代の
刑事が、女子高生リオの虚無感に触れたり、妻を誘拐した
愚かな若者を見てあれこれ思ったり、みたいな感じで、
やたらと自分が生まれてきた世代についてぼやいている印象。
事件自体はシンプル。横山作品が人情に走りすぎ、と思う人には
こういうクールで斜にかまえた刑事、好みなのかもしれないですね。
そして「隠蔽捜査」のほうは、警察官僚の曲がったことが大嫌いな
融通の訊かないきまじめどころかバカに見えるほど真面目な主人公が
ある意味漫画チックで面白くはあった。彼の直面する仕事での
難局(警察官が事件を起こしてしまった、世間やマスコミに対して
どう対応しよう!)と家庭での難局(浪人中の息子が大変なことを
しちゃった!俺の出世にも響くかも。ていうか免職?)をめぐり
同僚や上司たちもいろいろ大変そうにしていた。「チームバチスタ」が
好きだった人は、別ベクトルで変な役人モノとして面白く読めるかも。

「しゃぼん玉」乃南アサ
お金がなくなると軽い気持ちで女性や老人を殴り強盗を
はたらいていた青年。しかし、ある日、物盗りのために
ナイフを使い、女性を刺してしまう。殺人犯になってしまった!と
おそれおののきつつも卑怯にも逃げまくる青年がたどり着いたのは
宮崎県の小さな村。気づくと知らない老婆の家に寝かされており
老婆の孫だと村人たちにカンチガイされ、やがて、村に溶け込んでいく。
近所のおじいさんと山歩きをしたり村祭りの支度を手伝ううちに、
青年の中で何かが変わる。最初は「目立たない場所にいられて
ただでゴハンが食べられてラッキー」くらいにしか思っていなかったのが
まあ、簡単にいうと情がわいてきてしまい、愛や生命について
まともな価値観を取り戻していく…それは、自分の犯した罪の酷さを
改めて思い知ることにもなるのだった。
「老人や田舎」=やさしくて人を包み込むような感じ
「都会や若者」=空疎で愚かで投げやり
みたいなベタな土台の上にこういう話って好きじゃないはずなんだけど
作者の文章力と、青年が最初あまりにも愚かなので「この人何だよ!」と
怒りで逆に読まされてしまった。おばあさんと息子、父親と主人公、という
2組の親子関係のねじれてる感じがリアルに描かれているので、
ある意味ファンタジーっぽい設定なのに地に足がどっしりついていて
読後感もずっしり。同じ作者が描いた「火のみち」も、殺人犯が
出所後、刑務所の中で覚えた陶芸を手だてとして立ち直っていく
救済の物語。こちらの加害者は「しゃぼん玉」の青年と違い
聡明さゆえに犯罪人になってしまうという違いはあるけれど、
併読もいいんじゃないでしょうか。

「文学賞メッタ斬り! 」大森望 豊崎由美
ふたりの評論家が、各文学賞の審査員や受賞作の傾向、
受賞後の出世振りなどを好き勝手に語り合った対談集。
大体、毎年ふたりで直木賞と芥川賞の結果予想をして
はずしているけれど、今回の川上さんと桜庭さんは的中させて
いたのも記憶に新しいところ。そんな賞に突っ込みいれてナンボの
ふたりの語り口は、かなり好みが偏ってるし言いすぎなところも
あるけれど、出版ミーハーな人には楽しめるんじゃないでしょうか。
審査員の選評の文章のほうがおかしかったりするのも笑えます。
中で触れられてた「直木賞受賞作って、ずれてる」には同感(例えば
浅田次郎が「蒼穹の昴」で落選して「鉄道員」で獲ったとか、
東野圭吾が「白夜行」じゃなくて「容疑者X」で受賞してるとか…
すこしうすのろな感じはします。作家にしたら結局取れれば
まあいいとしても、出版社にしたら損得あるよね)。でも
今回の桜庭さんは「も、もう?」なんですが、個人的には。

「禁断のパンダ」拓未 司
「メッタ斬り」の大森さんも審査員をつとめている、
第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
神戸で小さなフレンチレストランを営む若きシェフが出会った
グルメな事件の真相とは? ということで、海原雄山風の
グルメなご老人が出てきたり漫画チックなミステリー(この
場合あまり良い意味ではなく)。タイトルとカバーイラストの
「パンダ」は作中で直接は出てきません。肉食だったパンダが
草食になってしまった罪な理由、みたいな作中の薀蓄語りが
謎解きにつながっていくので裏テーマって感じかな。
美食ミステリーということで料理の描写は丁寧だけど少し
くどすぎて胸やけがします。巻末の審査員の評を読むと
ミステリーとしては未熟だけどグルメ小説として買い、
みたいなことを言われていましたが。どっちにしろ
中途半端? 「チームバチスタ」の海堂さん(同賞出身)の
ようにスターになるにはまだ何かが足りない気がします。

出版業界最底辺日記―エロ漫画編集者「嫌われ者の記」塩山芳明
1995年から2005年までのエロ漫画編集者の自虐日記。
文庫判で読んでから夫に「面白いよ」と教えてあげたら、
単行本で持ってた(笑)。印刷所の大胆なミスとか、作家との
攻防戦…まさに死闘です。仕事の話の合間に書かれている
映画や読んだ本への端的な評論が正確で鋭い。

「この国で女であるということ」島崎今日子
アエラで連載されていた「現代の肖像」というインタビューを
1冊にまとめた本。一条ゆかり、林真理子、山本文緒などの
物書き関係、女優枠は桃井かおりに大竹しのぶ、そして
田島陽子センセイによど号事件の犯人の娘の重信メイ、
政界からは扇千景、などなど、興味深いラインナップ。
タイトルはフェミフェミしてますが、普通の女性誌の
インタビュー記事から色恋沙汰やファッションの部分を
そぎ落としたらこんな感じじゃないでしょうか。アエラは
好きじゃないんですが(むしろ嫌い)このテンションの低い
文体、あの雑誌には合ってると思います。

「ユングフラウ」芦原すなお
「青春デンデケデケデケ」などの著者である芦原すなおが書く、
女性文芸編集者の恋と仕事。
若くない男性作家が描く若い女性の話って、
皆がそうとは言わないけど、無理があったり
不自然だったりするものが多く、これも割とその
傾向にあったような…作家やカメラマンなど
つぎつぎといろいろな男の人に口説かれて結構
あっさり寝ちゃうヒロインを見て「結構ヒマな人なのね」と
思ってしまったのは内緒だ(笑)。ていうか、寸暇を
惜しんで忙しい時に必死でする恋愛、みたいな
話じゃないのです。優雅でふんわりとした文体に
のんびりしたお嬢さんぽいヒロイン…なんだか
物足りなかったなぁ。ギターの音で運命が変わった
田舎の高校生をあんなにイキイキと描いていたのに
今回はキャラクターが皆眠そうって感じ。

「天鵞絨物語」林真理子
林さんの歴史モノって苦手だったんですが(歴史モノを書くにしては
文章がイキイキしすぎているというか。玉岡かおる氏の一本調子に
なりがちな硬めのタイプが好みかも、歴史系だと)、
これは壮絶な片恋小説として一気読みしちゃいました。
報われない恋愛とか愛されない女の人の葛藤って
現代だと生々しいかもしれないけど、時代物なので
逆に少し気楽に読めるような。
昭和初期に上流家庭のお嬢様として生まれ、
文化学院でイキイキとした青春を過ごしていた
品子が、美しい顔をしたいとこに初恋をして、
結ばれるけれど、彼はほかに好きな人がいて…
品子、夫、そして彼の憧れの女性の間で
繰り広げられる三角関係。そして戦争で品子自身も
いろいろ失っていく…前半のお金持ちの青春編は、
服や軽井沢の別荘族の風俗の描写だけで野次馬根性を
満たしてくれるし、三角関係が勃発してからは、
自分が一番愚かで貧乏くじを引かされているのを
分かっているのにあきらめられない品子のしつこさに
引きそうになりつつもわからなくもなく(苦笑)、
衝撃のラストシーンまで一気読み。同時期に文庫で
読んだ「アッコちゃんの時代」(バブル期に大金持ちの
愛人を経験してその後スキャンダラスに生きたある
女性の伝記的小説)と比べて迫力はこっちが数段上。
ちなみに、この前完結した連載「RURIKO」(角川の
文芸誌「野生時代」で連載していた浅丘ルリ子の伝記風
小説)の単行本化を楽しみにしています。林さんの
ミーハーさと文章力って結局信用に値するんですよね、
いつだって。

「虚像の砦」真山仁
「ハゲタカ」(当方未読)で「読み出したら止まらない」
「ドラマより面白い!」と大ヒットした作者が2005年に
テレビ局を舞台にして描いた内幕モノ。
ジャーナリストを父に持つ報道局のディレクター風見の
もとに飛び込んできた「中東で3邦人が誘拐された!」という
大スクープから始まる壮絶なニュース戦争が息詰まる展開で
描かれる一方、お笑い番組を成功させてきたプロデューサーの
黒岩が視聴率戦争に日々身をやつす姿も浮かび上がってくる。
ふたりの正義や志の行方は? ということで、実在のタレントや
事件を匂わせるようなエピソードをちりばめるという場合によっては
陳腐になりかねない描写をしているんだけど、そこが生々しさに
拍車をかけていて悪くなかった。一気読みしました。


今月は幻冬舎文庫のラインナップが三浦しをんを筆頭に豪華
っぽいので書店に行くのが楽しみです。
by tohko_h | 2008-02-06 15:57 | reading

橋下知事、初登庁

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大阪府知事選で初当選した橋下徹知事(38)が
6日午前、府庁に初登庁した。
知事室に入った橋下知事は「責任の重さを感じる。
当初の気持ちを持ち続け、全力を尽くして大阪を変えたい」と
緊張した面持ちで話した。
午前9時半過ぎ、約500人の職員が拍手で出迎える中、
正面玄関に青色の公用車で到着。女性職員から笑顔で
花束を受け取った後、職員に手を振りながら庁舎に入った。
3階の知事室で、初めて執務用のいすに座った橋下知事は
「思ったより質素。財政が苦しいので、これくらいにして
おかないと…」と早速、知事の顔を見せていた。(時事通信)


「とうちょう」と打ったら迷わず「盗聴」と変換するMYパソコンの
ダメっぷりに苦笑しつつ本日のトップニュースはこれでしょうやはり。
…ワイドショーの録画忘れて出勤してきちゃったよ、と
凹みつつ、夜はZEROあたりでやるとにらんでおります。
頼むぞ日テレ(なぜかやらないんですよねー報ステでは
橋下府知事ネタいっさい)。

私が今一番羨ましいのは、もちろん花束を渡した女性職員です(笑)。

いよいよ、日本最年少の知事が、もしかしたら今日本で一番
危機的状況にあるかもしれない厳しい自治体のリーダーとして
始動です。なんせ、よくも悪くも目立つ存在なので、いいことも
悪いことも10倍100倍で報道されることになると思うし
(ご本人への注目度と、西日本の中心的存在の府ということを
考え合わせると)大変かと思いますが、東京からひっそりと
応援していきたいと思います。

と書きつつ、花束写真に萌えているだけだろう、と突っ込まれたら
否定できないものが・・・(苦笑)。
by tohko_h | 2008-02-06 11:49 | HashimotoGovernment

やはり二日酔いか

今、ニュースで「相撲滂沱(ぼうだ)」と聞こえたので画面を見ると

「スノーボーダー」だった(マジで)。

しっかり目を覚まさないと。

しかし、笠井アナのカツゼツがイマイチなせいもある(今朝は珍しく
フジテレビ。ふだんはスパモニなのに)。
by tohko_h | 2008-02-06 09:05 | drops of my days