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2009年 04月 12日 ( 1 )

角田光代「くまちゃん」

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「くまちゃん」角田光代
1章ごとにかわる主役。
大学卒業直後の不安な春に「くまちゃん」と
いう男と知り合った苑子の話を皮切りに、
次々と、フォークダンスの相手が
変わっていくように、恋が終わり、
また始まり、そしてまた、仕事を得て、
仕事を失い・・・という、恋愛と仕事を軸に、
生きていくことをビビッドに描いた作品。

なんか、ざっくりしたまとめですが・・・
版元のサイトの書評が完璧なので
こちらを参照してください。
山崎まどか氏の書評


報われない恋の連鎖、という基本的な話の運びは、羽海野チカの大ヒット漫画
「ハチミツとクローバー」の「みんな片思い」という前半のストーリー展開を
少し連想した。あと、クドカンのドラマ「マンハッタン・ラブストーリー」も、なんか
恋の矢印が一方通行ばっかりで、それがある日リバース、みたいなトンデモ展開で
見ていてびっくりした記憶が・・・
まあ、若いうちは特に、ひとつの失恋は次の恋愛のスタートと重なる。
苑子がくまちゃんに振られれば、そのくまちゃんは次の誰かと出会い、新しい恋を
するし、苑子だって、仕事をしたり、暮らしているうちに、くまちゃんを失った苦しみは
薄れ、そしてまた新たな出会いをして・・・というのは、世の中にいくらでもある連鎖。
生物の教科書に載ってた「食物連鎖」みたいなシンプルなぐるぐるが続いていく。
でも、いつまでも子供でいられないし、恋愛より仕事から得る「好きな自分」みたいな
部分もでてくるし、だんだん、相手のみならず、恋の仕方も変わっていくというか・・・
地に足がついていくプロセスが描かれた小説といえましょう。

以下、個人的感想文(ドス黒い)。
by tohko_h | 2009-04-12 23:33 | reading