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2009年 09月 27日 ( 2 )

プチ読書記録

「圏外同士」 富士本由紀
若い美人に一目ぼれした雇われ社長の蕪木。
彼女が、デザイナーとして休業中で無職と知り、自分の会社に
強引に誘い、愛人にするべく必死で誘いをかける。
彼女は、目当てが露骨すぎる蕪木にうんざりしつつも、
職場の(食品会社の倉庫関係)だらけた雰囲気に感化されて
なんとなく毎日仕事が続いてしまう。もうデザイナーの夢は
このまま消えていくんだろうか??

最後の恋を夢見る中年男と、彼にほれられた、夢に一度挫折している若い女性の
物語。といってもラブストーリーとかほのぼのいい話じゃないんですよ。
蕪木はどこまでも愚かであつかましく、迫られてる彼女は疲れてる感じ。
無気力な職場の描写とか読んでいてイライラしました。終わり方は一応希望が
あるのかなー。

「野わけ」 渡辺淳一
京都で働く若い女性が、上司との職場内極秘不倫に苦しみ、若さゆえの
残酷さ、傲慢さを伴う暴走を始める不倫小説。不倫相手の妻の弟を紹介
してもらいお見合いしてみたり、不倫相手と一緒に外泊したがったり、
不倫をしちゃいけないタイプの女性がハマっちゃったなーという感じで
昼ドラのようにどろどろの展開に。恋人が出張から帰ってきて家に帰る
前に会い「妻を抱く前に自分が抱かれたい」と必死で思う、なんていう
心理描写は「そんなものか?」と思うけど、繊細といえば繊細。日経の
大ヒットしたエロ連載小説より文章もすっきりしてて読みやすいです。
で、最後に初出を見てびっくり。
1974年にノンノで連載してた小説だそうです! そっか、昔のノンノには
渡辺さんの小説が連載されてたのね! 昔私が読んでいたころは、
氷室冴子さんの恋愛小説「ターン」とか、林真理子さんの「東京デザート
物語」あたりが連載されていたような記憶が。

「われら冷たき闇に」 藤堂志津子
裕福な家に生まれ、父の庇護を受け、何ひとつ不自由せずに
優雅に暮らしている30代の女性・貴代子。2度目の結婚相手である夫、
前夫との間に生んだ息子、貴代子が中学のころから家にいる住み込み家政婦、
そして息子の家庭教師の若いけど地味な女性が彼女の家族だ。
しかし、しだいに、家族たちの存在が重苦しく、家が息苦しく思えてくる。
夫の愛人問題、過保護に口出ししてくる家政婦、父親の圧力などに気づくけれど
どうしたら自由になれるか分からない…ちょっとホラー風味の1作。
家政婦と家庭教師の女性がなんとも不気味な感じです。
by tohko_h | 2009-09-27 21:11 | reading

ココ・シャネル

「ココ・アヴァン・シャネル」が自分にはしっくりこなかったので、
もうすぐ終わっちゃいそうな、シャーリーマクレーンの出てる「ココ・シャネル」と
そのものずばりなタイトルの映画のほうも観てきました。

渋谷のル・シネマに来たのは久しぶり。
渋谷文化村という駅の喧騒とはちょっと離れた立地条件といい、ヨーロッパ映画が
多い上映ラインナップのステキな映画館。
「こんなシックな映画館なら、きっと、「映画泥棒」のCMなんて流れないだろう!」
と思い(笑)安心しきって予告編から楽しむことにしました。

予告でチェックしたもの。
「シャネル&ストランヴィンスキー」 シャネルと作曲家・ストラヴィンスキーの
禁断の愛を描いたもの→こうなったらシャネルもの、コンプリートしちゃうもんね!

「パリ・オペラ座のすべて」パリ・オペラ座バレエ団に3ヶ月近く密着取材して
レッスンや舞台裏、宣伝や経営戦略などを描いたドキュメンタリー。
「情熱大陸」のクオリティーのたかいもの、なのかしら。と勝手に予測。
映画館で流れた予告のナレーションが無駄に声がいいなーと思ったら、
エビゾウさんだった。さすがだわ。

「ベジャール、そしてバレエはつづく」こっちは、稀有な才能に恵まれた
べシャールの死後、そのバレエ団を引き継ぐ決意をした後継者と
ダンサーたちのドキュメンタリー。バレエマニアじゃないんだけど、
躍動する肉体と厳しそうな稽古シーンに心ひかれたので。

その他もろもろ、割と豪華なコスチュームプレイ系の映画の予告を観て
うっとりしてたら、スクリーン暗転。いよいよ心は昔のフランスへ…と
思ったら、映画泥棒、出ましたよ(笑)。あれのない映画館はないものかしら??

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さて、こちらの映画は、15年フランスを離れていたシャネルがパリに
戻ってきて久々にショーをするところから始まります。彼女の新作は
人々に受け入れられず、中座したマダムまでいたという悲惨な結果に終わります。
しかしシャネルはあきらめません。自分の悲惨だった少女時代を思い出します…
ということで回想はやはり孤児院から始まります。父に棄てられた感、
それで傷ついた部分がこちらのほうが丁寧に描かれていたような。
そして陽気なエティエンヌ・バルサンとの出会い、その友でイギリス人、
恋多きシャネルが中でも一番愛したと言われるボーイ・カペルとの
出会いまでをテンポよく。

画面が時々、ビデオが壊れたかのようにとまって白黒になったと思うと、
「あのころ」を思い出しているシャネルのシーンも戻ったりします。
何度か、「いま」と「あのころ」を行ったりきたりする構成ですが、
過去の挫折を思い出しつつも「2度目のショーを」と攻めの姿勢の
シャネル、という、志自体が前向きな映画なので「回想ばっかりしてる
感傷的な老女」という感じは良い意味でまったくしません。

割と演出とか分かりやすくて、私にはこちらの映画のほうがココに感情移入
できる部分が多かったです。

そして、有名なシャネルの名言がいくつも貫禄たっぷりのマクレーン
(外見はシャネルというか野村監督みたいだったけど(笑)、その
食えない感じがよかった!)によって聞けたのも楽しかった。

「人と違うことで、かけがえのない女になるのよ」と言うシーンがよかったなぁ。

好きな人を失って「彼は、私にとって父で、兄で、恋人で、友人でした」と
言うシーンも印象的。幼い頃に父に棄てられた彼女にとって、自分を
仕事面でも精神面でも支え続けてくれた彼は、結婚は身分の問題でできずに
終わってしまったけれども、やはり、唯一無二の運命の人だったんだな、と
思ったら、それを失ってしまっても生きていくしかない彼女がつらそうに見えて。
だからこそ、仕事があってよかったなーとも思いました。

最後に、2度目のショー(もう香水部門だけにしろという反対意見を押し切って)を
ひらくところで映画は幕を閉じます。

なんかシャネルの映画観てたら、パールのネックレスが欲しくなりました。
by tohko_h | 2009-09-27 11:59 | watching