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2010年 11月 25日 ( 1 )

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「はれのち、ブーケ」瀧羽麻子
大学のゼミの仲間の結婚式の朝から始まる、
6人の30歳たちの物語。
男子3人、女子3人のグループは、けっして
べたべたした関係ではないけれど、ゼミで
一緒に時を過ごしているうちに親しくなり
卒業後も適度な距離で付き合いを続けている。
誰もがあの頃を愛しているけれど、
そのままではいられないことも分かってしまっている、そんな大人初心者って
感じの人たちの清清しいお話。

仕事を止めて結婚した友達を見て「仕事にまっしぐらな私はいいのかな」と
悩む女の子がいれば、働く女性を見て「私の選ばなかった人生を選んだ
人がいる」と考え込んでしまう若くして主婦に納まった女性も出てくる。
夢を追い続けて下積みを続けている気のいい男の子もいれば、理想の仕事を
諦めて家族のために生きている誰よりも大人だと思われている男の子もいる。

金子みすず式にいえば「みんなちがって、みんないい」と分かっていても、
心が弱っているときは「みんなちがって、自分はよくない」って思う瞬間が
誰にでもあると思うんだけど(私みたいに万年ザ・劣等人間の場合は、
年中無休でそうなんだけどね)、そういうふっと弱くなったところからの
立て直し方、腹のくくり方が見事な人たちばかりで、読んでいて気持ちよかった。

そして、この物語のもうひとつの主人公は、神戸の街。
皆が知り合いになったのは神戸の大学という設定で、色々なスポットが
物語の中に登場する。山もあれば海もあり、おしゃれなスポットもあって
垢抜けた女の子たちがヒールで闊歩してる。そんな街だからこそ、ちょっと
キレイすぎるきらいもあるこの話が成立した気がする。なんとなく
東京とか大阪だともっと容赦ない感じ。大人になってからは1度しか行ったこと
ないから脳内イメージだけど、神戸の空気の粒には時々、夢とかそういう
ロマンティックな成分がふわっと含まれてるんじゃないかというイメージが
ある(よく似てるといわれる横浜は、生まれた土地だし、親しみがあるので
好きだけどそういう情緒的にきゅん!みたいなのはないんだよね、私の場合)。

というわけで、理想としては、これを新幹線の中で読んで神戸に向かい
降りた瞬間からにまにまする、みたいな旅のお供的に今度は再読したいなー
なんて思っちゃったのでした。

定価1575円→実感価格1575円
これはリピート読みする可能性がかなり高いので(神戸にはなかなか行けなくても)
もとはすぐにとれちゃうと思います。ドラマ原作にするなら、NHK製作でチョイ地味に、
なんて感じがいいな。
by tohko_h | 2010-11-25 02:03 | reading