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2011年 02月 02日 ( 1 )

「六月の輝き」乾ルカ

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「六月の輝き」乾ルカ
こどもの頃、超能力に他愛なく
憧れていたことがある。それは
ドラえもんの道具が欲しいとか、
そういうレベルでの軽い妄想。
しかし、実際に、自分だけが
人と違う特殊能力を持つって
かなり辛いことなんじゃないか。
この小説を読み、しみじみ、そう思った。


同じ町で、同じ日に、隣同士の家に生まれた美奈子と美耶は、とても
仲の良い幼馴染として育ち、友情も育み続けていた。しかし、
美耶のある特殊な能力にスポットライトが当てられたある夏から、関係は
不本意な形で変化し、また、互いの人生も全く異なったものとなる。
物語は、ふたりの幼い頃から、大人の女性同士になるまでの長い間、
淡々と描かれる。本筋の「美耶の苦悩」よりも、美奈子と美耶のそれぞれの
母親像(美耶の母は、娘の力を嫌悪し、普通の子じゃないことを疎んじている。
美奈子の母親にはある辛い展開が…)が印象に残った。それぞれの母が娘を見つめる
目線が物語の大事な輪郭線だった、みたいな印象。

定価1470円⇒実感価格700円
文庫でこれくらい、みたいな計算。以前読んだ乾作品はドロドロホラーに
近かったので、本作とのギャップにビックリ。もう数冊読んでみようかな、
乾ルカ作品。なんだか気になる感じです。北海道在住だそうです。
by tohko_h | 2011-02-02 00:14 | reading