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2011年 07月 07日 ( 1 )

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「トロイメライ 唄う都は雨のち晴れ」 池上永一
池上永一の沖縄庶民シリーズパート2です。本作最初の
お話は、日照りで苦しむ村の再建のために中央から
傲慢な役人が来るところからはじまります。「地頭代
(村長的な人)が出迎えに来ないとは失敬な! 私を
誰だと思っておるのだ!まずは礼儀から教えてやらぬとな」
って、なんかやたらタイムリーなセリフがあったりして(笑)。
また、親に愛されない子供の話もあったり、沖縄の明るい
陽光をバックに人生の陰りみたいなものも語られます。


そんな中、私が好きだったのは、お上の命令で、器職人(漆器とか螺鈿細工の)と
お菓子職人が組み、最高の1皿を作るコンクールが行われた話です。贅沢な材料を
使う先輩の手伝いしかさせてもらえない若い見習い細工師と、姉のお菓子作りの
下働きをさせられあまった食材しか台所に残っていない末娘の、時間にも材料にも
ハンデを背負った若いふたりが頑張る話です。希望と元気がいっぱい(お菓子の
描写もおいしそうですし、細工物の工程の話も書きこまれていて興味深かった)!

というわけで、厳しい自然環境(日照りが2か月とか、ものすごそうだった)と貧困
(物価が2倍になっちゃったりすごく大変そう)などに苦労しながらも自分たちの神を
信じ、歌と踊りを愛する琉球の庶民たちの暮らしぶり、魅了されました。
(だからといって「沖縄に行ってみようかな」とならないのが私の旅行嫌いぶりを
証明している気が…(苦笑))。
by tohko_h | 2011-07-07 14:55 | reading