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2011年 07月 08日 ( 1 )

「ほのエロ記」酒井順子

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「ほのエロ記」 酒井順子
大人の女のエロ話に必須なのは、品のよさとユーモア。
もひとつ挙げると知性。それらが欠けてると、ただ
ひたすらえげつなくなり、聞くに堪えないものとなる。
男性だとバカだねーで済むけど変にじめっとしたりして。
そういう意味で、酒井順子さんが、エロ関係のスポット
(ポルノ映画にストリップ、男性器を崇める奇祭まで!)
をめぐるこの本は、安心して楽しめます。


春画や叶精作の漫画から得ていた視覚的なエロへの考察やら。
ストリップやエロ博覧会(ひとりエッチに使う道具の展示会)の見物やら。
興味がないといえばウソになるけど女性がひとりでプライベートでは、そこまで
追っかけることはできない、というエロへの探検を酒井さんがかわりに(取材だから
堂々と!)じゃんじゃんしてくれているわけです。
それをどこかひょうひょうとトボけた味わいすら時々漂うあの文体で書ききったことにより、
恥ずかしいとかいやらしい、を超えた「なんか、かわいくてまぬけだなあ」という人間の
素朴なエロ心に対して鷹揚な気持ちに読み手をいざなってくれるので、読後感も
「こんないやらしい本読んじゃった…」ではなく「こんな面白い本読んじゃった…」と
ふつうにいい感じです!

こんな本が10代のころに欲しかったな~。
(以下自分語り)
高校生まで、どっちかというと学業面では優秀と思われがちだった私。勉強できる=まじめ、
と見られるのがとても嫌で(まじめな男の子はカッコいいけど、まじめな女の子はダサい、
みたいな風潮があったんだよねー。今思うと、面白くて軽薄がよし、というバブル末法思想
そのものなんだけどさ)、エロ話にも明るく参加してあっけらかんとしてますよーという
風にふるまっていたんだけど、たぶん当時の私のエロトークは様になって無かったと思うし
かなりイタい子どもだったと思います。そんな時にこの酒井さんの、大人の女性がスッキリ
静かに面白く語るエロに出会っていれば目が覚めただろうに(コドモが無理してそういう
ハナシをしてもダサいよーってね)。というわけで、よく、名作文学などを大人になってから
読んで「十代の頭が柔らかい時代に読みたかった」などと思う大人は多いと思いますが、
私はこれを10代で読みたかったです(笑)。
by tohko_h | 2011-07-08 18:33 | reading